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南京湯山頤尚温泉度假区


 日本人にとって温泉は、いつの時代も変わらない娯楽の決定版のひとつ。特に冷たい風が身にしみるこの季節、温泉でゆったりくつろぎた~い!と願っている人も多いはず。
近場の健康ランドでもそれなりの満足感はあるけれど、それでもやはり本物の温泉に対する恋しさが尽きないのは、温泉大国生まれた日本人のDNAによるものなのかも?

 実は今、上海を始めとする中国各地も空前の温泉ブームに沸いています。週末ともなると各地の温泉施設には観光客が大挙して押し寄せているとか。
 当サイトではこれまでにも中国各地の温泉をリポートしていますが、今回また新たな温泉を体験してきました。上海からほど近い南京郊外にある「南京湯山頤尚温泉度假区」です。

 この湯山は孫文や宋美齢も度々訪れていたという温泉で、早くは約1500年前の南北朝の頃から皮膚病の治療などに使われてきました。泉質は硫酸カルシウム泉で、循環器系、泌尿器系、消化、内分泌、婦人科などの疾病に効果があるとされています。源泉の温度は40度~65度。湯量が豊富なので多くの温泉施設があり、現在では中国4大温泉療養区の一つに数えられているほど有名なのだとか。

 先日当サイトで紹介された高級ホテル「Kayumanis(カユマニス)南京」もこの地区に位置しており、編集長が文中でチラッと触れていた「カユマニスの隣にある大型温泉リゾート」というのが多分今回訪れたここのことかと思われます。
 ちなみに上海人が言う「南京の温泉」というのは、ほぼこの施設を指していることが多いようです。


 上海から瀘寧高速をひた走ること3時間。湯山出口を降りて10分ほどのところに「湯山頤尚温泉度假村」が見えてきます。
 今回はバスをチャーターしての旅でしたが、出発して間もなく濃い霧のために高速道路の通行がストップ。1時間はロスしてしまったので4時間以上かかってしまう羽目に。
 というわけで上海から南京まではCRHで行くのが断然おススメ。南京駅からリゾートまではタクシーで40分ほどで到着します。
広い駐車場は満車
 

リゾートについてまず驚いたのは客の多さ。駐車場は無数の観光バスと自家用車で埋め尽くされ、路駐の車も30台は越えている。ロビーも団体ツアー客を中心とする人だかり。人気の温泉だとは聞いていたものの、まさかここまでとは想像しておらず・・。すし詰めのお風呂で隣のおじさんの肌がムギュッと密着するの図、が一瞬脳裏をかすめ、思わず身震い。



 人ごみの中でやっとのことでチェックインをすませ、まずは部屋へ。いったん外へ出て小道を歩くと、見えてきたのはウッディーなコテージ群。本日のお泊りは思いもかけずヴィラタイプだったのです!でも正しくは隣と屋根が続いた長屋なのだけど、それでもかなりリッチな気分。
部屋は少し手狭ながらも一応スウィート。何気に和室を髣髴とさせる白木造りが明るくてすがすがしい気分を演出してくれる。
バスルームも広くて開放感あり。そしてバスルームの引き戸の向こうは・・ヤッター!プライベート温泉付きでした!盛下がり気味だった気分は一気に120%回復。

 道中のタイムロスのせいでお風呂に入る前に夕食時になってしまったので、先に夕食を済ませ、日帰り客が帰った後にゆっくり野外風呂に行くという算段に。
 食事はリゾート内の中華レストランで。南京の家庭料理をベースにしたご馳走の数々は、この手のレストランにありがちないい加減さは微塵もなく、丁寧に作られておりとても美味。前菜の中には南京名物“塩水鴨”が堂々と鎮座してました。折りしも南京で発生中の鳥インフルエンザなどどこ吹く風、といった大胆さに脱帽です。


 大露天風呂は深夜1時までということなので、夜9時、重いお腹を引きずりながら人気も少なくなった温泉へ。
 しかし、それにしても寒い。この季節の夜の野外でバスタオルを羽織っただけの水着姿は非常に酷。一番のお目当て「魚と入るトルコ風呂」もあまりの寒さに探す気にもなれず、とにかく急いで一番近い浴槽へ突入。しかし・・
 ・・・冷たい。冷たすぎる。
 よく見れば、かけ流しでも循環式でもないただの「ため湯」。朝9時からの営業じゃ、深夜1時まではどう考えてももたないし。
 すかさず飛び出し、少しでも暖かい浴槽を求めて駆け足で回る。が、どれもこれも冷たすぎる。歯がガチガチと鳴り出した。
 ようやく見つけた「魚と入るトルコ風呂」もまるで荒行。気がつくと指は無意識にも滝に打たれる修行僧のポーズをとっている。本来ならツンツンと古い角質を食べに来てくれるはずの魚も、殺気を感じとってか逃げ惑うばかり。
 そこへさわやかな店員さんが飲み放題のコーラを振舞いながらやってくる。
いらんっちゅーねん!それより、足し湯プリーズ!!
ということで滞在時間は30分にも満たず早々に退散。

 その後は、すっかり冷えてこわばった体をマッサージでむりやりほぐし、やるせなさを残したまま就寝。翌朝のプライベート温泉に期待しよう。そうだ、まだとっておきがあったじゃないか。


 翌朝6時30分起床。さっそく待ちに待った朝風呂の準備にとりかかる。やっぱり温泉の醍醐味は朝風呂だよ~。というか、初日に大きな肩透かしを食らった私にとって、残されているのはもうこの朝風呂しかない。キーンと張り詰めた寒さのバルコニーに出て祈る思いで温泉のバルブをひねる。・・・しかし、でない。お湯がでない。一滴も。実は嫌な予感がしていたんですよ。中国生活でここぞという場面で裏切られたのは何も今日が初めてではないので。あ~あ、やっぱりね。

朝6時半。静寂を打ち破る作業隊
 夜のうちに確認しておかなかった自分を恨みつつも、寝癖の頭を押さえて係員を呼びに行く。間もなく作業員3人が部屋にやって来ました。シャベルで土を掘り起こし地中を確認すると、なんと元栓が閉まったまま。ということは、この部屋のプライベート温泉は長いこと使われていなかった?中国人は部屋の風呂でチマチマと浸かるより、寒くても広い大露天風呂がいいのか。国民性の違いを感じます。
 元栓を開けると、初めに泥ような錆のような茶色い水がドバーッと噴き出した後、ようやく熱々のきれいなお湯が注がれ始めました。そうそう、これこれ。これよ~!優に5人は入れるほどの大きな浴槽が15分ほどであっという間に一杯に。

 フーーーッ。肩まで浸かったときに思わず漏れたため息は、多分いつもより3倍は長かった。温泉に到着してから12時間以上経過してやっとこの瞬間にたどり着いたというのは初めての経験かも。まあ何はともあれこの温泉、露天なので開放感抜群。手足はゆったり伸ばせるし、何よりも裸で入れるのがいい。やっぱり温泉はこうでなくては。温まってはデッキチェアーで涼みを繰り返し、すっかり気分も回復。本物の温泉はやっぱり温まり方が違いました。


 ということで、今回の旅を振り返ってみると教訓がいくつか。まず、朝9時から営業している大露天風呂へは朝イチに行くべし。毎日掃除とお湯張りをしているようなので、朝イチなら清潔で熱々のお湯に入れます。また日帰り団体客も朝ならまだ少ないので静かです。
 次に、部屋を取るなら断然ヴィラタイプにするべし。普通のホテルタイプの部屋もありますが、そこは至って普通の部屋。お風呂も温泉ではないらしい。大露天風呂だけで満足という方はいいですが、いきなりコケた私はこのプライベート温泉がなかったらどうなっていたことか。逆にこのプライベート温泉だけでもいいと思ったほどです。何より日本ならこんなお部屋高くて手が出ないし。
 
ホテル棟の廊下
 
ホテルタイプの部屋

 あと、基本ですが部屋の設備は初めに確認するべし。自分の不注意とはいえ、朝の静寂を打ち破るあの作業はたまらんかったです。

 
オリジナルのお土産があるところが日本っぽい

 総合的にいうと、この大露天風呂は子連れならば確かに楽しめるかも。趣向を凝らした数十種類のお風呂はプール感覚で遊べるので退屈しないと思います。でもお茶風呂だの酒風呂だの、わざわざ本物の温泉に手を加える必要性はないと思うんだけどな。前に行った温泉も全く同じタイプだったのでちょっと食傷気味。あと、つばを吐いたりする人がいるのは、もうどうしようもありません。
 大人だけならヴィラのプライベート温泉をメインにゆったりと過ごし、大露天風呂は話の種にちょっと行ってみるという程度でいいかも。あとはマッサージをしたりとマッタリしたいです。

でも次はちょっと奮発してカユマニス、いいなあ~。

DATA
南京湯山頤尚温泉度假区
住所:南京江寧区湯山温泉路8号
電話:025-51190666
www.ea-spring.com

露天温泉 
営業時間:9:00~深夜1:00
料金:128元(身長140cm以下の子供は65元)
各種露天風呂、サウナ、ジム、休憩室、フリードリンク込み

宿泊:特色単人房 580元
標準双人房 880元
観景豪華房 1080元
休閑スイート 1880元 (以上、宿泊者は露天温泉利用料が80元) 
温泉スイート 1880元(今回宿泊したタイプ 露天温泉フリーパス、朝食込み)


(2008年1月記

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