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ここ数年、上海では様々な特徴のある新しいホテルが増えてきた。今回ご紹介するアーバンホテルズもその一つ。中国で初めてのカーボンニュートラルの概念を取り入れたホテルで、環境に配慮した試みが斬新だ。カーボンニュートラルとは、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じであるという意味。さまざまな取り組みを通じて、大気中の二酸化炭素の濃度上昇を抑え、地球温暖化の進行を抑えようというものだ。
さて、このアーバンホテルズは上海中心部靜安区エリアの膠州路に位置する。門の構えは木で覆われていて、木の門を開けると、中にはまるで美術館を連想するような空間が広がっている。ホテル入り口付近には派手なロゴもなく、下手したら通り過ぎてしまうぐらい周りの環境にとけ込んでしまっている。でも、多くの西洋人がこの門から出入りしている様子をみると、「あ、ここはホテルなんだ!」と気づくことになる。

アーバンホテルズの廊下、壁が美しい |
2008年にこのアーバンホテルズはOPENした。といっても新築ではない。もともとあった倉庫や郵便局を改築し、60%の部分は建物オリジナルの様子を残しているという。真新しいホテルが林立する上海で、こうした取り組みを行うことはある意味リスクがあったとも言えよう。
でも、リサイクルを徹底した建物は興味深い。壁面に使われているレンガやタイルはすべて上海や蘇州などの古い建物の再利用だ。柱などもオリジナルのものを上手く取り込んでいる。床材のフローリングなども古建築のものを再利用されており、渋い輝きを見せている。

瓦を積み重ねた |
注目したいのは、1階ロビーの壁面に収められた革のカバンだ。これらはすべて上海の古物市場からホテルの創始者が手に入れてきたものだ。壁面にびっしりと詰められており、なかなか壮観である。

革のカバンで作られた壁 |
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| 天然素材が多用されている |
ホテルの空調も環境に優しいWater Based Air Conditioning Systemsのものが使われている。さらに電灯類はワット数を下げ、窓ガラスもペアガラスをつかってすきま風を極力なくした。塗料も低VOC塗料が使われ、揮発性有機化合物(VOC)の排出削減に努めた。すみずみまで環境問題と安全面を考慮している。
例えば、ホテル料金にしてもそうだ。カーボンニュートラルを実践するために、利用客は自分がホテルで排出した二酸化炭素の排出量も炭素クレジット(Carbon Credits)で算出し、「排出枠」に相当する金額が宿泊料金に含まれることになる。
今回、私たちは2階にある「花園套房」を見学させてもらった。私もこれまで様々なホテルを見せてもらったが、確かにここのホテルは部屋の様子が違う。部屋の真ん中に大きなベッドがあり、一段下がったところにソファーが備え付けられていた。リビング的な感覚でくつろぐことができる。視線が低いので、なにか日本的でもある。そこから、中庭を見渡せるバルコニーに出てくる。リビングの向かい側には、ジャグジーがあり、大きな液晶テレビを見ながらお風呂にゆっくりとつかれる。この空間がなんとも贅沢だ。
もちろん、シャンプーなども体や環境に優しい者が使われている。生薬枸杞をつかったボディーソープも珍しい。

花園套房 |

大きなジャグジーつき浴槽 |
ところで、標準的な客室を覗いてみても興味深い。なんと、浴槽がベッドのとなりの窓際にあるのだ。しかもカーテンなどの仕切りがない。もちろん、シャワースペースは別に確保されているので体を洗ったりするのには問題ないが、ベッドの横の浴槽というのはかなりユニークだ。

標準的な部屋にはベッドの隣にお風呂が |
さて、アーバンホテルズ1階にあるレストラン「Room Twentyeight」では上品な世界カ国の西洋料理を堪能できるほか、セットメニューもある。靜かな環境なので、打ち合わせなどにも使えそうだ。

レストランRoom Twentyeight |
最後に、このホテルのシンボルとして2本の樹齢100年のモクレンの木がある。すでに、ホテルの建物と同じぐらいの高さにまで成長しており、アーバンホテルズを見守っている。このホテルを設計した設計士は、このモクレンの木は建物以上に価値があると評価しただけに、大切に守られている。以前、工場の駐車場だったスペースは、今や見違えるようなゆとりある空間に生まれ変わった。

樹齢100年のモクレン |
2008年6月OPEN以来、欧米人を中心に、日本人や香港人もたくさん訪れるようになったアーバンホテルズ。客室数26のこぢんまりとしたけど非常に精緻なサービスに一度訪れてみる価値はありそうだ。
◎住所:
上海市膠州路183号(北京西路近く)【 地図 】
上海商城(ポートマン)、静安寺、久光百貨、上海展覧中心、恒隆広場など南京西路に近い。
◎交通:
上海地下鉄2号線静安寺駅徒歩約10分
アーバンホテルズ(上海雅悦酒店)の予約はこちらから
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(2009年2月記 山之内 淳)
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