
2008年9月6日、北京国家体育館(愛称:鳥巣)にて、北京パラリンピックの開幕式が華々しく開催されました。
オリンピックの開幕式のチケットは残念ながら逃したものの、パラリンピックに関しては正規の申し込み方法で見事抽選に当たった筆者。オリンピックと比べると若干注目度は低いものの、やはり世紀の大イベントであるには違いない!ということで張り切って出かけてきました。早速その様子をお伝えします。
開幕式が始まるのは夜8時。会場に到着したのは始まる直前の7時半ごろでしたが、会場はすでにほぼ満席状態。すでにボランティアによる盛上げ方の指導が始まっており、手に手に小道具を持った観客が立ったり座ったり旗を振ったりと、ものすごい熱気に包まれていました。
うわー、みんな用意がいいなあ、と感心していたのですが、席にたどり着いて納得。全ての席に小道具一式と飲み水が入った手提げが配布されていたのでした。開けてみるとあるわあるわ、小道具の数は全部で7つ。こんなにたくさんいつ使うんだ?と思いつつ、さっそく速私も右腕にゴムのブレスレットをはめ、左腕には緑のスカーフを巻きつけて啦啦隊(ラーラートゥイ:応援団)の一員に加わることにしました。
この啦啦隊、ボランティアがスカーフを振ったら私たちもスカーフを、ライトをつけたらライトを、という感じで結構忙しい。オリンピックの開幕式で見たあの観客席の統一感の裏にはこういう仕組みがあったのです。
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会場はほぼ満席 |
盛上げの指導をするボランティアは約10メートルおきに配置 |

各席に配布された手提げ |
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応援7つ道具はコレだ! |
やがて会場が暗くなりました。いよいよ開幕式の開始です。ボランティアの指示で観客はライトを点灯。会場に星空が浮かび上がりました。
フィールドには3色の全身タイツをまとった無数の人たちが出てきてパラリンピックのシンボルマークを形成しました。すごい勢いでグルグル走っています。下書きもないのに上手だなあと感心です。
開始から10分後、いきなり選手入場が始まりました。えっ、もう?とちょっと拍子抜けの感じもしましたが、選手と一緒に開幕式を楽しもうというコンセプトには大いに賛成です。なんたって大会の主役は選手なのですから。実はオリンピックの時は国威発揚の影に選手が押しやられてしまったなという感じを強く感じていました。
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我らが日本チーム |
車椅子の日本選手団が続々入場 |
それにしても、史上最多148の国と地域の入場となるとそれだけで2時間を越えるというすごいものでした。でも今回は車椅子の選手以外の選手にもちゃんと座る席が用意されていたのでよかったです。しかもオリンピックの時より随分涼しくなっていましたので、観客にもあまり疲れは見られませんでした。逆にオリンピックの時は4時間以上に渡る長丁場でしかもあの暑さ。何人もの人が倒れたということで本当に気の毒でした。
そうそう、見ている間ももちろん啦啦隊はひっきりなしにやってくるウエーブに立ったり座ったりを忘れてはいません。
選手入場が終わると、胡錦涛主席による開会宣言。「残奥会、開幕!」の一声と同時に花火がドドンッ!と打ち上げられました。
そして1時間に渡るパフォーマンスの開始。オリンピックの時と同じく、総合演出は映画監督の張芸謀監督です。「空間の旅」「時間の旅」「生命の旅」という大まかな3つのテーマに沿った色とりどりのパフォーマンスが繰り広げられました。
ただ、こういうものは抽象的なものなので、テレビの解説を聞いて初めて「ああ、そういうことだったのか」となることが非常に多い。これって芸術的センスの問題?今回は7つ道具と一緒に配られたプログラムのおかげで大まかな意味が理解できたのでよかったですが、きっと芸術家には全てのものがこんな風に見えているんだろうなと妙に感心しました。凡人の私としては、意味が理解できたかどうかはさておいても、スケールの壮大さと演技の細かさ、完成度の高さにはやはり素直に脱帽します。
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このときは「風車」の指示が |
この間も啦啦隊は次から次へと発生するウエーブにしっかり対応。でもパフォーマンスに見とれている私は毎回乗り遅れてしまい、気づいたときにはもう5メートルほど先に。みんな迅速だなあ・・・と感心しきりです。きっとパフォーマンスを見るより、このお祭りの一体感を楽しみたいという人も結構いるんだろうなと推測します。
プログラムの中に歌手の劉徳華と女性の歌手による共演がありましたが、双眼鏡でのぞく劉徳華の顔は私が知っている顔となんとなく違う気がしなくもなく「ホントに本人か?まさか偽装・・・?」なんて一瞬思ってしまいました。でもどうやら私が知っている彼の顔よりちょっと痩せただけのようで、間違いなく本人でした。というより、数年前に見た映画の、特殊メイクで「偽装」した、すごく太った役を演じた時の印象が強すぎたのかもしれません。一瞬でも疑ってすみませんでした。歌は飛び切り上手だったです。
開幕式もいよいよクライマックスの聖火点灯。杖をついた選手、義足の選手、盲導犬に導かれた選手が会場を一周リレーした後、最後に車椅子のランナーに聖火が手渡されました。車椅子の選手は、空から吊るされた縄を手探りで伝ってどんどん上に上ります。もちろん自力のはずはないと思いますが、綱を手繰りながら上るパフォーマンスと、20~30メートルはあろうかという高さに思わず息を飲みます。ついに頂点までたどり着き、聖火が点灯されました。同時に耳をつんざくような無数の花火が打ち上げられ、午後11時過ぎ、開幕式は無事に終了しました。
全部で3時間半近くの壮大な式典でしたが、パフォーマンスのすばらしさと気候のよさも手伝ってか実際の時間ほどの長さは感じないものでした。
これから17日までのあいだ、約10日間に渡って行われるパラリンピック。この感動と熱気が最後まで続くことを期待しています。
(2008年9月記)
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