世界遺産となった「開平碉楼と村落」
(1)開平の概略

「自力村」の碉楼
●碉楼〔diao(1) lou(2)〕とは?
広東省開平市に1833棟が現存するという要塞風の建築物。
多くは華僑によって清朝末期から民国時代にかけて建設され、防犯や洪水に備えた4~5階建てが主となっている。
西洋と中国の両方の様式が入り交ざった豪奢な建物が緑豊かな農村に無数たたずむ姿がなんとも不思議な空間を生み出している。
●碉楼はどこにある?
碉楼の故郷「開平」は広東省の珠江三角州西南部に位置する。
人口67.8万人に対し、開平出身の華僑が75万人といわれており、代表的な華僑の故郷でもある。
碉楼は華僑の発展と共にあると行っても過言ではない。 故郷に錦をかざるとはまさにこのことで、当時、海外で一旗揚げた華僑によって立派な碉楼が次々と建設された。
開平碉楼の主な分布は「塘口」「赤坎」「百合」「蜆岡」の4つの鎮となる。
4つの鎮の総数は全市の3分の2である。 碉楼は主のいない廃墟となっているものも多く、現在、開平市の旅游資源開発中心等で 観光客向けに管理、整備されているところは
「自力村」、「立園」、「赤坎」、「馬降龍」等となっている。
●碉楼は何のために作られた?
碉楼の主な役割は、当時横行していた盗賊から財産を守ること、頻繁に起こる洪水対策、もちろん住居としての機能、さらには頻発する学生、教員の誘拐に対応するため学校としても利用されていた。また、当時誘拐の対象は殆どが男性であったため、男性のみ宿泊できる施設としても存在した。
●碉楼の構造
殆どの碉楼は低いものでも3階建て、主流は4~5階建てで、最も高いもので9階建てとなっている。
コンクリートの分厚い壁(厚み1メートルに達するものもある)に、窓には銃弾を弾く鉄の扉が取り付けられているのが特徴である。
それと同時に、入口部分やバルコニー部分には銃口を差し込む射撃口があり、ここから敵を迎え撃った。
襲撃や洪水に備えて、各階に台所があり、1ヶ月ほどであれば立てこもることも可能だという。
台所が多ければ多いほど、その家が栄えるという言い伝えもあり、一つのフロアに台所を2箇所設置してあるところも多い。
また最上階には祭壇が設けられ、先祖が祭られている。
開平碉楼の材料であるコンクリートや鉄は、華僑がその財力のままに外国から輸入したものが殆どで、国内の材料を使用するにしても良質なものを使用していた。
謝維立氏の庭園「立園」などは、碉楼建設の資材を運ぶために運河をも作らせたというから驚きである。
また、碉楼の主は、その財力を誇示するために、内部はもとより外壁にも豪華な装飾を用いた。
これでは逆に盗賊に狙われやすいのではないかという矛盾が発生するが、何よりもまず虚栄心を優先させているところはさすがである。
外壁の装飾が最上部付近に限られているのは、盗賊の侵入を防ぐためかと思っていたが、低い壁を華やかに装っても、多くの人の目につかないということが理由らしい。
上部の外壁は主の好みによって、中国伝統様式、バロック式、ローマ式、ギリシャ式など、宮殿を模したような贅沢な装飾が施された。
故に、碉楼は、基本的な構造は同じとしても、その装飾や様式が同じものは一つとして無いといわれている。
さらに、外壁の装飾に限らず、窓の数も財力を示す指標となる。
なぜなら要塞の役割を兼ねる碉楼は、窓が少なければ少ないほど防御がしやすいわけであるが、
窓が多いとなると、それを補う為の相当な軍備や余裕がある、すなわち、財力があるということを示すからである。
碉楼はその歴史的背景から一棟一棟にエピソードがあり、それを紐解いていくのは非常に興味深いことといえる。
傾きつつある碉楼 |
ドイツから輸入された鉄で作った扉 |
入口にも銃口を挿す穴が |
自力村に連立する碉楼 |
屋上には国旗掲げる為の設備 |
避雷針? |
バルコニーにも銃口をさす穴が無数にある |
影視城 |
アーケード型の碉楼 |
立園の碉楼は本当に豪華 |
資材を運ぶための人工運河 |
井戸水のポンプ設備 |
バスタブと水洗トイレ設備が存在した |
台所はとにかく各階にある |
屋根の美しい装飾 |
竹林点在する碉楼は
まるで海に浮かぶ船 |
中身も当時のままという
馬降龍の碉楼 |
この穴を何に使用していたか
まだ解明されていない |
碉楼から脱出する場合は鉄格子
を外してこの逃生窗から飛び降りた |
日本軍に曲げられたという鉄格子 |
最上階には祭壇が必ずある |
●開平市旅遊資源開発中心
ホットライン:0750-267-9788
http://www.kpliyuan.com
自立村碉楼群:0750-267-9078
立園旅行区:0750-267-8888
赤坎影視城:0750-262-7888
●交通
広州(天河客運站)→開平(義祠站)
30分に1本(7:00~16:00)
開平(義祠站)→広州(天河客運站)
50分に1本(7:30~17:30)
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(2007年7月記)
参考書籍:「開平调楼」広東人民出
版
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