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中国の新しい祭日制度が決定

 

 

現在の年3回の3連休制度が実施されて7年目を迎え、その弊害についてかねてから論争が続いていたが、ついに中国国務院常務会議が127日に新制度の発表をした。新しい祭日制度では、労働節の3日間の連休が廃止されることが決定した。そのほか、中国の伝統的な「節目の日」が祭日とされるなど、大きな変化があった。

 

中国の伝統的な「節目」が休日に、3連休が増加

 

  今回の新しい祭日の組み方について、すでに119日に国家開発改革委員会から公式HPを通じてアンケート調査が行われていた。その結果に基づき、128日に国務院常務会議で原則的に新しい祭日制度が認められたことになった。これと同時に、有給休暇についても明確な法案が制定された。以上の新制度は、さらに検討が重ねられた上で、国務院から正式に公布・施行されることになる。

 

現行方式

新方式

元旦(11日)

春節(旧暦の11日~13日)

労働節(51日~53日)

国慶節(101日~103日)

 

元旦(11日)

春節(旧暦の大晦日から12日)

労働節(51日)

国慶節(101日~103日)

清明節(旧暦の33日ごろ)

端午節(旧暦の55日ごろ)

中秋節(旧暦の815日ごろ)

年間祭日合計数・・・・・・・10日間 年間祭日合計数・・・・・・・11日間

 

 さらに、新しい制度の特徴として土日を組み合わせた3連休を認めているという点だ。その結果、従来の7日間連休が3回の制度から、7日間の連休が春節と国慶節の2回、3日間の連休が元旦・労働節・清明節・端午節・中秋節実施されることになる。トータルでは、年間11日間の祭日となり、従来よりも1日増加することになる。

 清明節とは、周代から続く中国での大切な24節句の一つで、自然界では春に向けて生物が動き出し、農村では農作業を始める頃と言われている。現在、習慣的にこの時期に墓参りに行く人が多く、兼ねてから墓参り休日を求める声が多かった。

 端午節は、日本でお馴染みの祝日だが、屈原の故事は非常に有名で、粽を食べたり、菖蒲の葉を玄関に飾ったり、生薬で作った香り袋をかけたりする。地方によっては、竜舟と呼ばれるボートレースが行われる。

 中秋節では、中秋の名月を鑑賞するお祀りで、月餅を食べることはすっかりお馴染みになった。そのほか、上海の豫園など観光地では、あんどんを使った装飾が行われる。こうした中国の伝統的な祭日が休みになることで、中国の伝統文化に対する認識が高まることが期待されている。

 

●『職工帯薪年休假規定』で有給休暇が明確に

 

 115日に発表された有給休暇制度について、中国でも新しく導入されることになった。今回の新しい祭日制度とセットで国務院常務会議にて可決されている。5月の労働節1週間連休が無くなった代わりともいわれている。

 

在職満1年~10年未満

年間5日間

在職満10年~20年未満

年間10日間

在職満20年以上

年間15日間

 

●連休で疲弊し始めた観光地

 

 1999年に実施された現行の3連休×3回の連休制度だが、これはそれまで春節3日間、労働節1日間、国慶節2日間の祭日を、春節3日間、労働節3日間、国慶節3日間にした。さらに土日の休みを移動させることにより、7日間の連休が実現した。

そもそも7年前に現行の連休制度が始まったときに、最も注目されたのが連休による消費の拡大と経済の発展の問題だった。地方の観光地などにも多くの観光客が集り、都市部市民が消費することで、地方への経済的貢献度が高かった。案の定、1999年に現行の連休制度が実施された当初の観光収入は141億元に過ぎなかったが、2007年度には642億元となり、中国人に旅行する娯楽をもたらした。また、国慶節連休を例にとっても1999年当初はのべ2800万人ほどしか旅行に出かけなかったが、2007年にはのべ146億人にまで増加した。

しかしその結果、大量の都市部市民が移動し、観光地が対応しきれず、そのために観光資源の破壊が進み、自然環境への影響も無視できなくなった。交通機関も混雑で大変なことになっており、とくに、北京の故宮や万里の長城などは、連休中とても普通に見学できるような観光客の数ではなかった。

さらに7日連休中は人で溢れかえっているのに、そのほかの日はまったく人がいないというところも少なくない。ピーク時との差があまりにも極端になってしまった。そこで、今回の祭日制度の変化と同時に、有給休暇制度を普及させて、従来の中国人の休み方を変化させようとする試みが行われることになる。みんなで一斉 の休みではなく、個人の生活リズムにあわせた休み方が実現されつつある。

 ただ、旅行業界にしてみれば、中国でも季節の比較的よい51日の労働節連休がなくなることは、少し影響がありそうだ。とくに、都市部市民は、これまでの1週間の連休を利用した旅行社で一緒に出かけるツアー的団体旅行手段から、3連休を利用したマイカーなどによる中近距離の個人旅行が人気を集めそうだ。

また、中国の場合、国土が広いだけに、移動することが大変で、5月の7日間の労働節連休が無くなることによって、故郷にもどるチャンスが減ってしまうという声も聞かれている。しかし、これまでの政府が行ったインターネットのアンケートでも8割方の国民が賛成していると評価している。

 

 新しい祭日の法案は、2008年度より実施される公算が高いが、筆者個人的には、これまでの経済一辺倒の連休制度から、中国の伝統的な文化が祭日に盛り込まれたことを大いに賛成したい。(200712月記 山之内 淳

 
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