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上海市で不動産売却益にかかる個人所得税が厳格化

  20074月以降、上海市の中古物件の価格が緩やかな上昇に転じている中、上海市はこれまでと比較して厳しい個人所得税を導入することを525日に発表し、不動産業界に衝撃が走っている。 

 この新制度は、5年以上住んだ自宅用のマンションに関しては適用されないが、5年未満の比較的新しい中古マンションを転売する際に影響をうけることになる。 

 実は、20068月に中国税務総局は、156号文書で売却益に対して20%の個人所得税を課すことを明文化していた。すなわち、(不動産売却価格-不動産の原価-不動産取引で生じた経費)×20%の税金を納めるとしていた。しかし、実際には多くの物件で売り主がその物件を購入した際の不動産価格(不動産原価)を証明する書類が準備できなかったりするなど、制度としてはまだ不完全だった。その場合は応急的な対応として、不動産売却益総額から、普通住居の場合は1%、非普通住居(高級物件など)は2%の税金を納めればよかった。さらに、不動産の登記などを行う各地区の房地産交易中心では、慣例的に不動産原価が分かるかどうかを口頭で売り主から聞く程度で、それ以上の調査をあまり行わなかったという背景もある。 

 そこで、今回発表された瀘地税所二(200716号通知では、上海各地区の房地産交易中心に対して、厳格に個人所得税の計算を行うようにと明記された。すなわち、不動産の交易を行う際に、売り主がその物件を購入した際の不動産価格、いわゆる「不動産原価」がわからない場合、房地産交易中心が厳密に調べることになった。現実的には、よっぽど古い物件でなければ、さらに1996年以降に売買された物件に関しては、各房地産交易中心に納められた「契税」の記録が登記されているため、調べ出すことは問題ない。そこで、今回の厳密な個人所得税徴収が実行されることとなった。 

 すでに、盧湾区では523日よりこの20%税率が厳格に適用されており、他の地区で実施されるのも時間の問題だ。そのため、徐匯区や長寧区など房地産交易中心では、駆け込みの不動産売却が少なくないという。その後、526日の上海の新聞各紙も、上海市地方税務局の話として、20%税率完全実行の姿勢は変わらないと釘を刺している。

 今回の突然の制度厳格化に、不動産業界では様々な憶測が流れている。最近の中国の株価の高騰で、政府は経済の過熱をなんとか食い止めようと躍起になっている。そのため、不動産を売って株の購入資金にしようとする市民が増えるのを抑止しようとしているとも考えられている。いずれにしろ税率の変化が今後の上海の不動産市場にどのような影響を与えるのか、見極める必要がありあそうだ。

                   (20075月記 ・山之内 淳


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