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中国高速鉄道「子弾頭」列車
~CRH2型に試乗して~

上海南駅で出発を待つ
新幹線「はやて」(JR東日本のE2系1000番台)の技術を使って製造されたCRH2型(China
Rail High-speed)が1月28日より運転を始めた。上海エリアでの運転では上海南-杭州と上海-南京で、とくに上海南-杭州間ではノンストップ運転が行われている。今の段階では最高時速は160キロなので性能をもてあまし気味だが、日本そっくりのアコモデーションに快適な鉄道の旅を楽しむことができる。
上海南駅の専用の待合室とCRH用のプラットホーム
日本の報道記事などを総合すると、今回走りだしたCRH2型は2004年に日本の川崎重工などの企業連合体が受注したもので、一部は完成車両を導入したほか、日本のメーカーから技術供与を受けているのもあるそうだ。そのためか、筆者が乗車した列車の窓ガラスを見ると、「中国青島製」のもだった。ただ、上海の地下鉄のように車内で「シーメンス」のように製造会社名を書いたプレートを見つけることはできなかった。CRH2型は、中国国産の高速列車として、マスコミでもPRに余念がない。
一等軟座の様子
全車両1等車の「軟座扱い」で、そのなかでも一等軟座(日本の新幹線グリーン車とほぼ同じ設備で2列+2列配置)と二等軟座(日本の新幹線普通車と同じ設備で2列+3列配置)に分かれている。上海-杭州の場合、一等で44元、二等で53元とその差はわずか9元。だったら、日本人の感覚からすればグリーン車のほうがお徳となるだろう。ちなみに、編成は8両+8両の16両編成で、グリーン車は16両編成中2両しか存在しない。「軟座扱い」なので、上海南駅でも杭州駅でも専用の待合室が提供されている。上海南駅は最近できたばかりの駅なので、近代的清潔。非常に気持ちいい。
CRH2型の車内設備
食堂車というより、車販用カウンターとテーブルが5号車にあった。カウンター内には電子レンジや給湯器の設備があり、客室の半分ぐらいのスペースを区切ってテーブルが4つほど設置され、さらに4人がけのテーブルで歓談できるようになっている。日本の新幹線ではない設備なので、ちょっとした食堂車を髣髴させる。今のところ飲み物程度のサービスしかなかったが、今後どのように利用されるのか興味がわく。
乗客の反応を見ていると、最も歓迎されていたのが座席とトイレだろう。
一等軟座も二等軟座も回転が可能。これは、中国の列車の中では画期的なことだった。というのも、これまで中国の列車のほとんどは固定式で、進行方向と逆向きで座るということがザラだった。
この回転できる座席を窓側に向けて景色を見ながら座ることができると上海の新聞でも紹介されていたのだが、これはありなのだろうか?一等軟座はカーペット敷きで、フットレストつき。ただ、日本と違って利用頻度が高い中国の新幹線、掃除が大変だろうなと同情してしまった。
さらに、中国で今までは航空機ぐらいでしか利用するチャンスのなかったリクライニングシートが、中国の鉄道にも本格的に導入された。二等軟座の場合、背もたれのほかに座布団も前後に移動が可能な最新式のもの。ところが、日本の「はやて」でも不評だったのだが、リクライニングさせなければ、かなりの直角シートになっていて、座り心地が極めて悪い。また、リクライニングのボタンが座席に2つあり、図表があってもなれない人は操作に困っていた。
二等軟座の様子(下の一等軟座と比較しても違いは大きい)
トイレもこれまたすばらしい。中国の鉄道のトイレは、垂れ流しで、さらにジメジメとしていて、中国の鉄道旅行に慣れている私でもいつもかなりイヤだった。今回のCRH2型では、小便器も設置されたほか、身体障害者が車椅子でも入れるトイレが設置された。身体障害者用トイレのドアは電動式でもちろん洋式が採用されている。
一般トイレも洋式だったが、やはり中国の事情を考えると和式のほうがよかったような気がする。トイレットペーパーつきもすばらしいと思ったが、早速靴磨きに使ったりする浪費が目立っており、いつの日か消えてしまうかもしえない。さらに、いつもと違うシステムのトイレだけに、トイレの流し方が分からずにそのままということも多く見られたようだ。垂れ流し式のトイレは市街地では使用禁止なったが、今回は停車中でも問題なく使える。
洗面所も、自動蛇口のほか乾燥用の温風器もあり、今までの中国の鉄道からすれば非常に豪華。早速、子供たちが遊んでいた。もちろん、これからのメンテナンスも大変だろうけど、中国の皆さんが大切に使ってくれることを望まずにはいられない。
大型荷物を置くスペースや、天井に鏡がつけられた荷物棚、子供のオムツを交換する台、急病人が出たときなどに使われる多目的室など、日本の新幹線ではおなじみの設備がしっかりと備え付けられていたのは嬉しい。
CRHのある風景
中国ならではの特徴としては、やはり車内BGMだろう。中国の列車では、BGMがない列車はまずない。さらに、乗車するときに各出入り口に「小姐」が出迎えてくれ、検札する。今回の運行のために、約1ヶ月かけて193名のCRH2型列車乗務員の常務訓練が行われた。また、お湯がもらえるのも中国の鉄道ならではの設備で、デッキ部分にガロンタンクのホルダーが設置されていた。車内は全車両禁煙。以前、東海道新幹線などであったデッキでの喫煙はさすがに中国ではなかったが、車内での携帯電話はとくに問題ではなく、みんな大きな声で話していた。「グリーン車」も賑やかだった。
貨物列車、鈍行列車の中を縫うように走るCRH2
時速160キロ程度の速度では乗り心地の比較はできないが、概ねまずまずで、特に車内の静粛さにはさすがと思った。ただ、杭州-上海間ではまだポイントの高速化工事が終わってないようで、ポイント部分での速度制限は免れないようだ。
中国人の間でも鉄道といえば「速度が遅く」さらに「不潔」のイメージがつきまとう。そんななか、今回の新型列車はかなりのインパクトを与えたようだ。「中国国産CRH2型」の導入により、中国の鉄道高速化がまた新たな局面に入ったといえよう。
●2007年1月28日から運行されているダイヤ
上海南-杭州間の所要時間は時刻表では1時間30分となっているが、実際には10分ほど早く到着しているので実質1時間20分ほど。途中の停車駅はなし。上海-南京では常州と無錫に停車するものがあるので注意が必要だ。乗車チャンスは上海南-杭州間が圧倒的に多い。2007年4月18日のダイヤ改正で、最高時速が時速200~250キロになり、さらなるスピードアップが実現するので、それまでの暫定ダイヤと言えよう。
上海南⇒杭州
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列車番号 |
上海南駅発⇒ |
杭州着 |
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N521 |
8:30 |
10:00 |
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N523 |
10:05 |
11:35 |
|
N525 |
13:35 |
15:05 |
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N527 |
15:58 |
17:28 |
|
N529 |
19:12 |
20:42 |
杭州⇒上海南
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列車番号 |
杭州駅発⇒ |
上海南駅着 |
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N522 |
7:15 |
8:45 |
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N524 |
11:13 |
12:43 |
|
N526 |
12:28 |
13:58 |
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N528 |
17:56 |
19:26 |
|
N554 |
21:10 |
22:40 |
上海⇒南京
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列車番号 |
上海⇒ |
無錫 |
常州 |
南京 |
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T708 |
8:44 |
通過 |
10:13(着)
10:16(発) |
11:34 |
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T718 |
16:04 |
17:12(着)
17:14(発) |
通過 |
18:53 |
南京⇒上海
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列車番号 |
南京⇒ |
常州 |
無錫 |
上海 |
|
T707 |
12:40 |
通過 |
14:21(着)
14;24(発) |
15:30 |
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T717 |
19:24 |
20:41(着)
20:44(発) |
21:10(着)
21:14(発) |
22:25 |
【関連情報】:
いよいよマスコミを賑わしはじめたCRH(中国鉄路高速)
上海-北京間の高速鉄道計画
(2007年1月記
・山之内 淳)
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