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北京五輪へカウントダウン!鳥巣の全貌がいよいよ明らかに!


 4月30日で北京オリンピック開催までついに100日となり、いよいよカウントダウンが2ケタに突入しました。
 世界を周遊してきた聖火も中国へと帰還し、国内でのリレーがスタート。チケット販売も最終段階に差し掛かり、最後のチャンスを掴もうと奮闘する市民の姿があちこちで見られるなど、オリンピックに向けての機運が日に日に高まっている北京市内です。
 そんな中、北京オリンピックのメインスタジアムでシンボルでもある国家体育場(通称:鳥巣)がついに柿落としを迎えました。この記念すべき瞬間に立ち会うために徹夜組まで出るほど注目が集まった今回のオープニングでしたが、好運にもチケットを入手することができたので早速取材に行ってきました。ここにその全貌を大公開します!

 国家体育場(以下:鳥巣)は、北京市の北部・北四環路の北側に位置する奥林匹克公園内にある巨大な陸上競技場で、水泳競技場となる国家遊泳中心(通称:水立方)や国家体育館などに隣接しています。このエリアは、周辺には五輪選手村やプレスセンターなどもあるため、北京オリンピックの際の中枢的エリアとなります。
 この鳥巣では、オリンピック時には開閉幕式、陸上競技、男子サッカーが、パラリンピック時には開閉幕式と陸上競技が行われます。



 《“鳥巣”データ》
 建築面積: 25.8万㎡
 固定座席数: 8万席
 臨時座席数: 1.1万席
 南北の長さ: 333m
 東西の長さ: 294m
 高さ: 69m
 使用した鉄鋼の量: 4.2万トン
 建設期間:2003年12月~2008年4月

 鳥巣は過去に、その複雑な設計のために工事が途中で暗礁に乗り上げたという経緯があります。安全を考慮して当初予定されていた開閉式の屋根を取りやめ、鉄鋼の量を22.3%削減した結果、現在の形となりました。
 奇抜な形のゆえに非常に難易度の高い施工技術を要した鳥巣は、世界の建築10大奇跡のひとつと称されるほど。外側の“巣”の部分は、鉄筋コンクリート製としては世界で最もアーチが大きい建築物だそうです。



 今回、鳥巣の柿落としとして開催されたのが、北京五輪のプレ大会「好運北京」の競歩とマラソンの2大会。
 4月18日、19日の競歩には、日本人選手も含め、男女合わせて約130人の選手が参加し、20日のマラソンには、60名弱の選手が雨の降りしきる中レースに挑みました。
  この競技場について、参加した選手からは非常に走りやすいトラックだという声が多く聞かれました。オリンピック本番ではいい記録が続出することが期待されています。



 実際に中に入ってみた感想は、とにかく大きい!ということ。でもその割にはトラックまでの距離が近く感じられ、とても臨場感があります。設計では、客席のどの位置に座っても、フィールドの中心までの視線が140メートル前後になるようになっているとのことです。
 そして、赤と白のポップな感じに統一された内装も、競技の盛り上がりに華を添える効果があるように感じられ、なかなかグーです。





 設備面にも工夫が凝らされています。例えばトイレは、数はもちろんふんだんにある他 、内部が人で混雑しないようにドアを2箇所設けて通り抜けられるようにしてあります。中国のトイレではほとんどお目にかかったことがないオムツ替えの台もあり、なかなか画期的です。

 また、浄水された飲用水が出てくる蛇口があちこちに備えられてあるのも便利です。ただ、中国では蛇口の水が直接飲めるなんて夢のような話なのでほとんどの人が飲みたがりません。鳥巣の職員は「飲用水で手を洗うなんてもったいない」とこぼしていました。

 売店もあちこちにあり、五輪グッズのほか、飲み物や軽食も販売しています。今回は飲食物の持ち込みが禁止だった割にはお菓子や少量のパン程度しか販売していなかったので、お昼の工面に困りました。オリンピック期間中は食堂もちゃんとオープンするようですけど。


 あと、なぜか郵便局まで併設されています。手紙を出すためというより、記念切手の販売などがメインのようですね。ここでしか販売していない記念切手もあるようですが、手に入れるためにはまず鳥巣の入場チケットを手に入れなくてはなりません。チケットのないコレクターからは「不公平だ」という不満の声も上がっていました。

 安全対策としては、2階席に上がる階段に転落阻止の工夫がされていたり、階段付近を中心に監視カメラが設置されており、不測の事態が発生した時には競技場を部分的に隔離することができるようになっているようです。またコンピューターの試算によると、たったの8分で9万1千人の観客全員が外へ脱出できる構造になっているとのことです。



 さて今回、マラソン大会の日には北京ではめずしくまとまった雨が降りました。
 選手にとっては厳しいコンディションの中でのレースになってしまいましたが、この雨によって鳥巣ではオリンピック本番に雨が降った場合の対応について予行演習ができたようです。また、この雨で水漏れ箇所が見つかり対処することができたとのことです。
 今回の大雨は大気汚染を隠蔽するための人工雨だった、というまことしやかな説もありますが、ニュースによると人工的に雨量を増加させたことは間違いないようです。まあ、いろんな意味において今回の雨は“恵みの雨”だったのではないでしょうか。

 3ヵ月後には、いよいよ鳥巣に五輪聖火が灯り、熱戦の火蓋が切って落とされます。
 世界中の注目を浴びて今、この大きな大きな鳥の巣の中では“平和”という雛が飛び立つ瞬間をじっと待っている、なんだかそんな気がしています。


(2008年5月記)



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