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北京地下鉄5号線が開通!

2007年10月7日、約5年の工期を経て北京地下鉄5号線が開通した。2003年に完成した13号線から待つこと4年、市内を南北に縦断する今回の動脈の開通により、北京の交通事情は更なる変化を遂げることになる。
今回新たに開通したのは路線図上の紫色のライン。北の始発「天通苑北駅」と南の始発「宋家庄駅」を結ぶ全長27.6キロメートルの路線だ。5号線には全部で23の駅があり、その内の4駅で既存のラインとの乗換えが可能。停車時間も含めると全行程の所要時間は約49分となる。また発車の間隔はピーク時で最短の4分となっている。

| 主要駅名 | 始発列車 | 最終列車 |
| 天通苑北 | -- | 5:00 | -- | 22:47 |
| 立水橋 | 6:02 | 5:05 | 23:53 | 22:53 |
| 雍和宮 | 5:42 | 5:25 | 23:33 | 23:10 |
| 東単 | 5:32 | 5:35 | 23:23 | 23:21 |
| 崇文門 | 5:30 | 5:37 | 23:21 | 23:23 |
| 宋家庄 | 5:20 | -- | 23:10 | -- |
■車体について■
今回5号線に採用されたのは国産の標準B型車。省エネと環境保護を理念に設計された車体は無塗装のステンレスで軽量化を実現。運行時の消費エネルギーが大幅に節約できた。車体の大きさは高さ2.1メートル・幅が2.8メートルで、旧型車両より高さが50センチ・幅が20センチ広くなっており、実際乗ってみると1号線などと比べて明らかにその広さが実感できる。5号線の列車は全て6両編成で、定員が1424人、最大で1820人が乗車できるという。
 (写真左)5号線のテーマカラーは紫色 (右)広く明るくきれいな車内
また5号線全体には新型通風空調システムが導入されており、プラットホームでも列車内でも空気がこもらず息苦しさがない。また冷房設備が天井に、暖房設備が足元に配備されており、夏場は車内の温度は26度から29度、冬場も16度以上に保たれる。「夏はサウナ、冬は冷蔵庫」という旧型での劣悪な車内環境は一挙に解決されている。
 (写真左)天井から満遍なくエアコンの風が吹く (右)足元に設置された暖房で極寒の車内から開放される
他にも、座席は人体工学に基づいた流線型で座りやすく、手すりも3つ股で多くの人が掴まれるようになっているほか、床には国内の列車では初めてゴムの滑り止め素材が用いられるなど、快適な乗り心地が追求されている。
 (写真左)つかまるところが増えた手すり (右)車両間も広く開け放たれており移動が簡単に
さらに、乗降口付近に設置されたディスプレーが到着駅名と次の駅名を表示してくれるほか、現在地を示す運行図も導入されたおかげで、うっかり乗り過ごすこともなくなり、聴覚障害者にとっても利用しやすくなった。
携帯電話が全線で通じるのもうれしい。
 (写真左)現在地が一目瞭然 (右)到着駅と次の駅を教えてくれる
■コンコースとホームについて■
まずは出口の案内板について。それぞれの出口に最寄の建物や道の名前が明確に表示されているほか、乗り換えバスの番号も書かれているので分かりやすい。地図もカラフルで目印となる主要な建物などが記入されている。また情報検索用の端末も設置されているのでさらに詳しいバスの乗り換え情報や列車時刻、ニュース、天気予報などを調べることができる。
 (写真左)最寄の施設と乗り換えるバスが分かりやすい (右)使いやすい情報端末
切符の販売については、自動販売機は設置されているもののまだ稼動しておらず、当面は従来どおり窓口での販売となる。
改札も2008年の上半期には全面的に自動改札になる予定ですでに自動改札機も設置されているが、それまでは臨時のPOS機と係員による「もぎり」が継続される。
 (写真左)自動販売機は来年稼動予定 (右)来年は改札が全面自動化
 当面は「もぎり」が続く
コンコースには障害者用のエレベーターがあり、直接ホームに降りることができる。
 (写真左)障害者用エレベーターはホームに直結 (右)車内にも車椅子の固定場所があり、随所でバリアフリー化が進んでいる
ホームとコンコースには液晶ディスプレーが多く取り付けられており、ニュースや乗り換え案内が常に流されている。ホームのディスプレーには次の列車が到着するまでの時間が常に表示されているので、いつ来るか分からない列車をイライラしながら待つこともない。
 人は待ち時間がわかっているとイライラしないものらしい
5号線には北京地下鉄初の試みとして全線に転落防止用のホームドアが取り付けられている。地下区間では完全にホームと線路が完全に遮断され、地上区間では胸の位置までのドアとなっている。
 (写真左)地下区間のホームドア (右)地上では胸の高さほど
■乗り換えがスムーズに■
地下鉄5号線では立水橋駅で13号線に、雍和宮駅で2号線に、東単駅で1号線に、崇文門駅で2号線にそれぞれ乗り換えができる。
最もすばやく乗り換えができるのは立水橋駅で、13号線のホームまでたったの20数メートルで到着する。また東単駅と崇文門駅には乗り換えルート上に動く歩道が設置されており、2~3分以内での乗り換えが可能となっている。
オリンピック時にはこの乗り換え駅を活用することによって観客をすばやく大量に競技会場まで輸送することが期待されている。
 (写真左)13号線のホームまではあっという間 (右)動く歩道で乗り換え時間短縮
■特色豊かな駅■
5号線全体のラインカラーは紫となっており、車体をはじめ様々な設備に取り入れられているが、一つ一つの駅にもそれぞれのテーマや特徴がありその違いを楽しむことができる。
例えば雍和宮駅には宮廷建築の風格が取り入れられており、赤い柱に金の擬宝珠、ホームに下りる途中には大きな金箔画が飾られている。また上りと下りのプラットホーム間には1.73メートルの段差が設けられている。
また天壇東門駅には祈念殿の円形をモチーフにしたデザインが天井の装飾などに取り入れられていたり、東四駅ではホームの床に中国将棋の対局がデザインされているなど、遊び心いっぱいだ。
 (写真左)きらびやかな雍和宮駅 (右)上下線の間に高低差がある造りは国内初
 (写真左)待ち時間に次の手を考えてみる (右)天壇祈念殿を現代風にデザイン
■交通渋滞を緩和するために■
いまや自動車の数が300万台を突破し、市民の4人に1人が車を持つ計算となった北京市。それに伴う交通渋滞の激しさや空気の汚染はいまや重大な社会問題となっているが、地下鉄5号線にはこれらの問題に歯止めをかけるという大きな役割が期待されている。
今回5号線の開通に当たり地下鉄の利用を促す様々な工夫が施されたわけだが、まず力を入れたのが各駅前広場における駐輪場の設置。5号線の全23駅周辺には自転車の駐輪場が合計2万3千台分以上確保されている。特に惠新西街南口駅、雍和宮駅、北新橋駅、張自忠駅、劉家窑駅の5駅には駐輪スペースがそれぞれに2千台分以上ある。
また、郊外の自家用車の中心部への乗り入れを少なくするために、多くの駅では至近距離に駐車場を設置。例えば北の始発・天通苑北駅には駅舎から20メートルほどのところに272台の車が停められる駐車場がある。
しかもどの駐車場でも一卡通を用いると朝4時から翌0時30分までの駐車料金が2元となる格安料金を打ちだしている。ただし駐車と地下鉄の乗車は同一の一卡通で精算することなどが条件となっている。
 (写真左)初日の利用客はまだまばら (右)駅舎がすぐ後ろに見える駐車場
公共バスのバス停も大部分は駅から100メートル以内に配置されており、最長でも150メートルを超えることはない。また、各駅では様々な方法で利用客にバスの乗り継ぎ情報を提供しているので非常にスムーズな乗り継ぎが期待できる。
 天通苑北駅ではバスターミナルも駅に隣接
そして今回特に注目したいのが、5号線の開通に伴って実施された地下鉄料金の値下げだ。これまでは別のラインへの乗り換え次第で3~5元と設定されていた料金だが、10月7日からは全線2元均一という驚きの大英断が下され、瞬く間に全国一安い地下鉄が実現した。先日も一卡通を使ったバスの乗車が4角になるというこれまた驚きの値下げがあったばかりで、北京の交通事情に対する市側の焦りと、それを本気で改善しようという気持ちの度合いが伺える。
 料金は全線一律2元に 切符のデザインは4種類。全てを集めるために奔走する人の姿も
というわけで、とても快適な利用が期待できそうな地下鉄5号線。市民の日常の足として、また環境改善の一翼を担う道具として、市民の生活に根付くのはあっという間のようだ。
 (写真左)ゴミ箱も5号線オリジナルデザイン (右)記念切符は1時間で完売した
 ホームのベンチもカワイイ
(2007年10月記)
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