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イオンが北京にやってきた

 2008年10月、北京市に日本の大手ショッピングセンター・イオンがオープンしました。 スーパーマーケットを中核に数多くの専門店が集まって一つのモールを形成するスタイルで日本全国に展開するイオン。その利便性や多様性、娯楽性はますます目を見張る発展を遂げており、私事ではありますが日本に帰国するたびに足を運んでは「ここだったら一日中過ごせそうだなあ」とその快適さに半ば感動を覚えるほどでありました。先日も我がお膝元埼玉県に国内最大級のショッピングセンター・イオンレイクタウンがオープンしたばかり。まさに破竹の勢いで快進撃を続けるイオンです。
 そのイオンがなんと北京にやってくるというではありませんか。そういうわけで早速、大きな期待を抱きつつ、プレオープン中のイオンにお邪魔してきました。

 場所は北京市の北西部、昌平区北清路の“中関村国際商城”という開発エリア内です。このエリア開発は同地区の第11期五カ年計画の中でも重要プロジェクトの一つに位置づけられており、娯楽とショッピングなどの複合商業開発用地として47万平米という巨大な敷地が用意されています。
 その中において北京イオン(永旺国際商城購物中心)は総建築面積15万平米、売り場面積も9万平米に達するという大型事業であり、このエリア開発のけん引役としての大きな役割を担っています。



地下鉄13号線龍澤駅前から出ている無料シャトルバス

 しかしそれにしても、いかんせん場所が遠い。北京在住の日本人の大半が暮らす朝陽区からは電車とシャトルバスを乗り継いでもざっと1時間はかかります。せっかくのイオンも、車を持たない大部分の日本人にとっては日常の買い物をする場所とはなりえず、気合を入れて出かける観光スポット的位置づけとなりそうです。
 ですがそれもそのはず、地元には回龍観という人口40万人を抱える巨大な居住区がありますので、一見辺鄙と思えるこの土地に敢えて出店したというのもうなずけます。また、中国初出店となるブランドの入店など比較的富裕層に的を絞ったテナントの出店状況や、ゆったりとした心地よい環境づくりの様子を見ると、裕福なマイカー族に新しい休日の過ごし方を提案、といった戦略も見えてくるのです。ちなみに駐車スペースは2700台分ほど確保されているということです。
 ですが日本人の皆さんもがっかりしないでください。北京イオンでは2010年までに北京天津を含む華北地区に少なくとも10店舗の展開を計画しており、朝陽区への進出もすでに決まっているようですので乞うご期待です。

「BEGETABE」のベビーリーフも

 店内に入った第一印象は、日本のイオンそのもの。ああ、ここは日本だったか、いう錯覚と安堵感を覚えるくらいです。特にモール全体の吹き抜けの明るい構造と、ジャスコのゆったりした商品陳列棚の配置の仕方はこれまでの中国にはない快適さで、カート同士がぶつかり合うなんてストレスを感じることなくショッピングが楽しめそうです。
 スーパーの商品のラインナップは、ざっと見た感じ日本の食材自体は1割以下という程度でしたが、上海ではおなじみの「BEGETABE」など有機野菜の数も豊富で、値段は高めながらも売れ行きはまずまずといった様子でした。イオンの自社ブランド製品「トップバリュー」のものも数は少ないながらありました。ただ、香港でジャスコを利用していた時は高額な輸入商品の中においてトップバリューの安さはとても魅力でしたが、中国では合弁企業の安い商品が手に入りますのでトップバリューさえ高嶺の花と感じました。

種類豊富な有機野菜
広い通路でゆったり買い物
庶民の味方「トップバリュー」も中国では高級品
デリも充実
揚げたてのコロッケ
レジの数も多い

 生活雑貨や衣料品の品揃えもなかなかです。なんといっても陳列の仕方が従来と比べて格段にいいですので見ていて楽しいです。衣料品も日本の感覚に近い「使えるもの」が多そうです。ただそういうものはもちろん値段もそれなりですけどね。

見ているだけでも楽しい家庭用品
衣料品もトップバリュー

スポーツ専門店「Sports Authority」

 テナント各店も一定以上のレベルが確保されているという感じがしました。衣料品も抵抗なく着られそうなものが多く、アクセサリーなどの小物もカワイイものが結構ありました。また、インテリアや雑貨も日本人にも受け入れやすいセンスの店が多く、ローラアシュレイを見つけたときにはついにここまで来たか、とうれしくなりました。また中国初上陸となる巨大なスポーツ用品専門店「Sports Authority」も入店しています。オリンピック成功を契機として北京市では今後もスポーツ振興に取り組んでいく姿勢を表していますし、ゴルフやアウトドア産業もこれからますます盛んになっていくと思われます。

買いたいものが見つかるかも
日本の流行そのままに
イギリスの高級インテリア「LAURA ASHLEY」
ペットショップにも便利グッズがたくさん

 飲食店は24日の時点ではまだ1軒しか開店していませんでしたが、和食の「五穀」やとんかつ「富金豚」、ファミレス「シャロン」、喜多方ラーメンなど、日本のレストランを中心としたラインナップになっていました。ちょっと残念なのはフードコートで、小さなスペースに麻辣湯などを出す店が1つあるだけでした。多くの人はスーパーのお惣菜コーナーで買った弁当を食べたりしていましたので日本のフードコートとは少しイメージが違います。

ベッドにならないことを願いたい

 モール全体のファシリティーもなかなかで、通路にはベンチやソファーが用意されており(もちろん「寝るな」の注意書きがしっかり)、授乳室もありました。女子トイレのオムツ替えスペースも広く、使い勝手が良さそうです。以前スーパーの生鮮食品売り場の床で赤ちゃんに用を足させるというショッキングな場面に遭遇したことがありますが、どうかここではこれらの快適ファシリティーを存分に活用して欲しいと願います。ちょっと期待していたトイレのウォシュレットですが、やはりさすがついていませんでしたね。標準装備となっている日本のトイレが丁寧すぎるといえばそうなんですけどね。あと、日本のショッピングモールではおなじみのゲームコーナーもちゃんとありました。子供連れにはありがたい反面、余計な出費が・・なんて声も聞こえてきそうですが。

ベビー用品売り場には授乳室も
日本でもおなじみの光景
まだキレイなトイレ
明るい吹き抜け

 総合的に言うと、期待以上の日本らしさが味わえた北京のイオンでした。欲を言えばもうちょっと近かったらな~ということに尽きるのですが、それは今後の出店に期待することにします。あとはこのキレイさと快適空間がいつまで維持されつづけるだろうか、ということが気になるところ。いくら富裕層をターゲットにしたところでスーパーを支えるのは大多数の庶民。例によって瞬く間に無法地帯と化してしまうのか、全店を挙げてマナー違反を撲滅していくのか。北京イオンが経済のけん引役だけでなく、民度アップのけん引役ともなってくれそうな予感と期待を大きく込めたところで今回のリポートを終わりたいと思います。

DATA
永旺国際商城購物中心-ジャスコと専門店街
所在地:北京市昌平区北清路1号
電話:010-8070-0588(総合)、010-8070-0616(専門店街)
営業時間:ジャスコ1階スーパーマーケット9:00~22:00
     ジャスコ2階10:00~22:00
     専門店街10:00~22:00

アクセス:自家用車の場合 八達嶺高速 北安河下車西方向
     地下鉄の場合 地下鉄13号線龍澤駅下車 駅前方左に無料シャトルバスあり
     シャトルバス運行時間 龍澤駅始発9:00 最終21:30
               イオン始発9:00 最終22:10
               約30分に1本運行
地図

(2008年10月記)






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