上海では2000年から、医師の処方箋が必要な薬と処方箋の必要のない薬(OTC)に分類されるようになった。この制度は西洋医学の薬、中医学の薬両方に適用される。OTCはさらに分類されて、赤色の表示がされている甲類の薬と、緑色の表示がされている乙類の薬に分けられる。甲類の薬は、薬剤師がいる薬局で、薬剤師の指示のもとで服用し、乙類の薬は薬局だけでなく上海市内の大手スーパー、コンビニ、百貨店、ホテルなどでも購入が可能。この場合は、店員は必要な薬剤に関する知識の講習を受けてから販売することが義務付けられている。特に緑色の乙類OTCの薬は、上海市薬品監督局により、長期の臨床試験など、厳しく安全性が検査されているため、比較的安全といえる。また消費者には詳しい説明書が添付されていて、その指示に従って服用する。
OTC類の薬の範囲は主に、発熱、感冒、咳、頭痛をはじめ、腹痛下痢などの消化器官の病気、関節病、鼻炎などの過敏症、その他にビタミン剤などサプリメント、中成薬(漢方薬類)では体を補う補剤などがある。
中成薬に関して言えば、日本の漢方薬の名前とほぼ一致しているため、必要な薬の名前を漢字にでも書けば、すぐに通じる。しかし西洋医学の薬の場合、外資の製薬会社の製品や、輸入した薬であれば、商品名はほとんど音読の漢字表記や成分の中国語表記になる。たとえばアスピリンは「阿司匹林」、ペニシリンは「青霉素」と表記する。こちらは慣れないとかなり厄介だ。
中国では現在、抗生物質の乱用が問題になっている。一時期、規制がゆるかったため、一般市民でも簡単に抗生物質が手に入った。さらに一部市民の間で、高価な抗生物質ほど効果がある、という神話がいまだに根強く、社会的問題にもなった。ちょっとした風邪を引いても、すぐに高価な抗生物質という状態だった。そこで抗生物質への耐性ができるのを防ぐために、今では抗生物質の購入に関しては、規制が入っており、処方箋がなければ原則手に入らない。抗生物質のことを中国語では「抗生素」もしくは「抗菌素」と呼ぶ。またカプセルに入っている薬は「・・・胶」という。
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