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伝染病・予防接種についてのクチコミ情報


伝染病・予防接種

中国は国土が広いために、出かける地域によって発生する伝染病も異なる。ここでは主に上海を中心とした情報をまとめてみる。A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、日本脳炎などが今までよく言われてきた予防接種だが、最近では鳥インフルエンザに関連して、インフルエンザの予防接種も必要視されている。また梅毒などの性病も少なくなく、最近ではエイズの問題もクローズアップされている。

A型肝炎(甲型肝炎)

上海では1988年にA型肝炎が大流行した経験がある。上海市の元市長である朱鎔基氏がA型肝炎問題で奔走した話は有名だ。1200万人にも満たなかった上海市民のうち、31万人が感染したといわれ、死者は47人に達した。1988年4月がピークで、多い日には1日1万人の患者が報告されたほど、急速に患者が増えた。原因は、上海人が当時好んで食べていた貝の一種「毛蚶」で、この貝を白酒に漬けただけの料理が原因だと言われている。白酒に漬けただけでは殺菌は十分といえない。それ以来、上海では毛蚶の交易は禁止されているが、まだ市場などで隠れて販売されているようだ。

A型肝炎は昭和30年代に日本でも見られたが、現在はほとんど見られない。したがって昭和30年代以降に生まれた人は、まず免疫力をもっていないと考えらえる。感染は糞便からの経口感染が中心なので、手洗いを励行し、食べるものに気をつければ、予防は可能。また感染しても、よっぽどひどい劇症にならない限り、一般には完治する。

90年代から、不活化ワクチンや弱毒性ワクチンが実用化され、予防接種が可能になった。不活化ワクチンでは2回の接種が必要だ。


B型肝炎(乙型肝炎)

B型肝炎の問題は、中国でも毎年大きく取り上げられ、キャンペーンも盛んだ。現在、中国のB型肝炎のウイルスキャリアは1.3億人、またB型肝炎の患者は3千万人を越すとし、かなり深刻な状態だ。また中国での流行病学の調査によると、少なくとも6億から7億人が何らかの形でB型肝炎に感染したことがあるといわれている。男性患者が多く、中国では北方より南方のほうが発病率が高い。上海の場合、約70万人が症状はないが、ウイルスのキャリアであるというデータも出ている。大学などでよく集団で献血が行われるが、実際に数多くの学生がB型肝炎の検査にひっかかって献血ができないケースが多い。

感染ルートは主に血液や注射器などによる経皮感染と、性行為や分娩時による経粘膜感染が中心。中国の場合、母子感染も少なくない。B型肝炎の場合、中国では慢性化すると10~20%が肝硬変になり、1~5%が肝臓癌になるといわれている。現在中国では、子供のうちにHBVワクチンの予防接種を行っており、子供の感染率は減少傾向にあるものの、まだまだ楽観できない状況にある。

現在、B型肝炎の予防接種は、組み替え型DNAワクチンなどがあるが、それでも3回は接種が必要である。



狂犬病

中国での伝染病による死亡率のトップを占めているのが狂犬病だ。死亡率はほぼ100%に近く、犬に噛まれた場合はすぐに病院にいって対処する必要がある。

実は、人々の生活レベルの向上に従って、ペットを買う市民が急増している。ペット市場などでも気軽に犬・猫を購入できるようになった。しかしこれがまた新たな社会問題に発展している。マンションに住む人が大部分で、室内犬が少なくない上海では、鳴き声に犬の排泄物の問題、また人間が犬にかまれるというような事態も起きている。そこで、上海市公安局は2002年より、犬類などを飼育するのに必要な許可証、《犬類准養証》を取得していなければ、捕獲も辞さない強い態度で臨んでいる。

この許可書を取得するための条件は厳しく、飼育する人の居住面積、管理組合の同意、また狂犬病の予防接種をしていることなどがあり、その他地区によって異なるが、毎年数千元の登録費用を納めなくてはいけない。また犬の排泄物を処理しなかったり、不法につないでおいたりすると200元から1000元程度の罰金。

狂犬病は予防接種が可能。こちらも3回に分けて初回接種を行い、2年から3年後に追加接種を行う。


日本脳炎(乙型脳炎)

中国の南部を中心に、症例が報告されている。例年、中国の伝染病による死亡者の第3位を占めている。年によっては南方の農村を中心に流行することもある。主に蚊がウイルス血症を起こしているブタの血液を吸うことで感染し、それを人間にうつす。はっきりとした季節性があり、夏の長い華南地方では、7月から9月までの3ヶ月間が流行するピークになる。中国南部に赴任する赴任者で、日本脳炎の予防接種を受ける人は少なくない。


破傷風

大抵の人は、小さいときに3種混合で接種しているが、成人になると免疫が切れてしまっている人が多い。破傷風菌は泥や動物、人の便の中におり、傷口から体内に侵入する。酸素が少ない環境で繁殖する性質があるため、傷口が浅くて、出血量が多ければ感染しにくいが、傷口が深く、不衛生な場合は感染する確率も高くなる。


インフルエンザ(流行性感冒)

世界的な流行が心配されている鳥インフルエンザ。上海でも治療薬のタミフルが一時手に入りにくくなるなど、人々の関心も高い。また上海市政府もインフルエンザに効果のあるとされている中薬(漢方薬)の確保を病院や薬局に呼びかけている。予防のためには、予防接種が有効だとされているが、上海でも市内の病院で接種が受けられる。中国に輸入されたワクチンも現地病院で使われている。中国に限らず、日本でも高齢者や心臓や腎臓、呼吸器に重い病気のある方は特に接種が勧められている。ただしアレルギー体質の人や免疫疾患を患っている人など、接種できない人もいるので、医師と相談すること。


SARS

2003年春に世界を騒がせたSARS(新型肺炎・重症急性呼吸器症候群)について、人類は新たな爆弾を抱えてしまったといっていいのかもしれない。未だ確立された治療法がないため、人々から恐れられているが、きちんと対策さえとれれば防ぎようがないわけではない。中国では過去の苦い経験があるために、我々としては参考にしなければならないことも少なくない。今後、中国での大流行の可能性は低いと思われるが、それでもこれから初めて中国に行く人は基本的な予防知識を身につけておきたい。

■いかに予防するか?

有効なワクチンの開発が終わるまで、基本的な対策で予防するしかない。飛沫感染が指摘されているため、まずは手洗い・うがいの励行が大切だ。薬用石鹸は市内の薬局でも手に入る。とくに公共の交通機関などを利用したときなど、特に手すりにつかまったりしたときはしっかりと手を洗いたい。また部屋の換気には十分に気をつけよう。冬場はエアコンを多用するために、どうしても空気がこもりがちだ。その他、中華料理を食べるときも、なるべく大皿を各々の箸でつつくのではなく、小皿に分けるようにする。

当然、免疫力を高めるために、睡眠と規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度の運動などは大切。WHOなどでも中国医学の生薬のSARSに対する有効性が指摘されているが、SARSが流行している時期には、免疫力を高めるための生薬を配布した学校や会社も少なくなかった。またタクシーの運転手やレストランや理髪店などサービス業に携わる人たちは、仕事中はマスクの着用を義務付けられた時期もあった。マスクをつけるということは、咳嗽などをしたときに飛沫を飛ばさないという意味でも重要であるとされた。

■インフルエンザのワクチン

卵アレルギーがある人など、今までインフルエンザワクチンを接種して副作用があった人以外は、10月頃にインフルエンザの予防接種を済ませておくことが望ましい。予防接種を行うことにより、万一インフルエンザにかかっても症状や経過を短くすることが可能で、38℃以上の熱にもなりにくい。中国政府は免疫力の弱い人、60歳以上の人、子供、慢性疾患のある人、医療関係者などはなるべく予防接種を受けるようにと通達を出している。インフルエンザの予防接種を受けることにより、発熱患者を減らすことができるほか、病院内での院内感染の予防にも役立つ。またインフルエンザの症状と初期のSARSの症状は似ているため、インフルエンザの予防はSARS予防と深く関係がある。


鳥インフルエンザ

2006年1月末までに、中国では10例の鳥インフルエンザ患者が発生し、そのうち7人が死亡、3人が治癒となっている。

予防策としては、基本的には手洗いの励行、十分な睡眠と運動、さらに流行地区へは行かない、という基本原則に加え、鳥類の食品については十分に加熱するということが挙げられている。

■2009年鳥インフルエンザの最新情報
1.人への感染

2.家禽類への感染


エイズ

最近よく中国のメデイアでも登場するのが、深刻になりつつあるエイズに関する話題だ。エイズは中国語で艾滋病と書く。時には愛滋病と書く場合もある。 衛生部の発表では現在中国全土での感染者数は84万人、そのうち発症数は8万人となっていて、感染者数100万人突破も時間の問題といわれている。上海は、中国でもっとも早くエイズ感染者、発病者が発見された地区の一つでもあり、1987年から2003年11月末までに既に感染者数は886例にのぼる。そのうち上海市民が251人、地方からやってきた人が635人というデータが上海市衛生局から出ている。感染ルートは、上海市民の場合は性交渉によるものが22.2%、血液製剤の注射によるものが15.5%となっているほか、地方からやってきた感染者のうち62.8%は麻薬によるものとなっている。


その他

衛生部の全国性病コントロールセンターのデータでは、沿岸部の江蘇省、広東省、浙江省、上海市や内陸の四川省などに関しては特に性病の感染が多いとされている。全国で600万人はいるといわれている性病患者だが、一番多いのが淋病、また梅毒も急速なペースで増加しているようだ。

また最近では浙江省や福建省でコレラが局地的に流行した。過去に流行した症状の重いコレラは、米のとぎ汁のような猛烈な下痢を伴い、脱水症状を引き起こして死亡することが多かったが、近年発生しているコレラの症状は比較的軽く、死亡率も2%前後といわれている。ただ、感染力は強い。上海市では現在コレラの流行は見られないが、平素から食生活に気をつけることが必要だ。この時期、生もの(特に刺身・エビなどの魚介類や切り売りの果物)は極力避け、水(氷)なども十分に気をつける必要がある。生水は飲まないこと。食前食後の手洗い、トイレのあとの手洗いも励行すること。もし下痢や嘔吐が続くようであれば、速やかに病院の診察を受けるようにしたい。特に老人や子供などで脱水症状を起こした場合は、ショック状態に陥る危険性もあるので注意が必要だ。中国の大病院には専門の「腸道外来」が設置されている。

また、市内にある公共サウナや浴室の衛生管理についても、最近は厳しくなってきているが、それでも毎年どこかで問題が暴露されている。見るからに不清潔なサウナなどは利用しないほうが賢明。その他、自己防衛のためにも、ホテルの部屋にある浴槽の利用もシャワーだけにして、お湯をはって浸からないようにしたほうがよい、また備え付けのバスタオルは使わないほうが良いという人もいるぐらいだ。


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