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第6回 瑠璃廠から道に迷ってみる


 書画と骨董の街の瑠璃廠は清時代の街並みを再現しており、いつ来ても楽しい街です。何か探して歩くより、時間のある時にフラッと来てみた方が発見に出会えます。地下鉄2号線の和平門駅から南へ歩くと5分ぐらいで到着です。

 瑠璃廠と言う名は、宮廷で使われている瑠璃瓦の窯がこの辺りにあったことから付けられました。その歴史は元代までさかのぼるそうです。



 瑠璃廠西街は書画の街で、瑠璃廠東街は骨董の街です。私はどちらかというと本や紙類などが売っている西街がお気に入り。ここで見つけたパンダの切り絵や、パラパラ本などはすべて私のパンダコレクションに入っています。中国風の絵や掛け軸など、「いつかは買いたい」と思いながら自分流に品定めしながら回ったりします。書道の心得がある人と来た時には硯や書道具の選び方を指南していただきながら歩きました。瑠璃廠には栄宝斎という書画の老舗があり、ほとんど値切ることはできませんが、ここで扱っているものは質の良いものが多いようです。

 またこの街では印鑑屋さんも多くあり、好きな石を選び、印鑑をつくってもらえます。名前を告げると、「あなたの名前は中国ではいい名前だよ」とお決まりのお世辞を言われることも。それでもちょっとうれしいですよね。

  瑠璃廠東街は骨董品を扱う店が多くあります。ここでの買い物は要注意。真の値打ちを求めてはいけません。自分の好きなものを自分の思う値段で買うことが肝心。言い値で買いたければそれでOK.。また5分の1の値打ちだと思えば、とことん値切ることもできます。

 この日私が見たのは蓮の葉と花が浮きあがるように細工がされた小さなガラス瓶。高いものは何千元もします。値段を聞くと350元。瓶を裏返すとちょっと汚れていたので布で拭いてもらいますが、黒い塗料のようなものは消えません。その段階で私のこの瓶の値打ちはぐっと落ちてしまいました。店主は250元と値を下げます。私は「考慮一下」と言い店を出ようとしました。店主は150元にまた下げてきました。そのまま店を出ると、私の後を追いかけてきて、遂には50元まで下がりました。そうなると元々この瓶には値打ちなど無いことが証明されたようなもの。益々興ざめになります。「不要了」と言い切ると、店主は追いかけるのを諦めました。


 瑠璃廠を出て右に曲がっていくと胡同の風景となります。
 目指すは「八大胡同」。これは一条の胡同の名前ではなく、大柵欄の南側一帯で、石頭胡同、陜西巷、王広福斜街(現:棕樹斜街)、韓家潭(現:韓家胡同)、臙脂胡同、百順胡同、朱家胡同、李紗帽胡同(現:大力胡同、小力胡同)からなる胡同とその周辺と言われています。なぜここが有名かというと昔から賑やかな前門から大柵欄の南側のこの辺りは清代末期から民国時代にかけて遊郭が多くあったからでした。民国時代には390件の遊郭、3500人の遊女がおり、賑やかな裏町をつくりあげていました。当時の繁栄ぶりがわかるように普通の胡同では見られないような建築物があります。

 瑠璃廠東街の郵便局を右に曲がり、胡同の中にはいっていきます。そこから南のエリアが八大胡同となります。当然のことながら今はもう遊郭はありませんから安心して歩けます。

 右にぐるっと回る感じで桜桃斜街に入ってみました。 生活の匂いがする庶民の町で、表に洗濯物を干していたり、子どもたちが道端を走り回って遊んでいて、懐かしい気分です。左に曲がると韓家胡同になります。しばらくすると胡同にしては大きな2階建ての洋風の窓のある建物が見えてきました。「春元慶」と彫られた看板があります。おそらく遊郭の名前だったのでしょう。陝西巷には「上林仙館」という名の建物が今は旅館となって残っています。どうやらこの辺りの遊郭にはランクがあったらしく、韓家胡同、百順胡同、陝西巷には特に立派な建物が残っているようです。レンガづくりの建物には洋風の窓、きれいな装飾、ベランダがあり、当時はかなり斬新だったでしょう。大きな遊郭の建物の多くは、今では庶民の住宅となり、なんだかアンバランスな感じです。八大胡同のすべての胡同を歩くのはとてもたいへんですから、これらのひとつ、ふたつの胡同をめがけてブラブラ歩いてみるといいと思います。


 その時代には有名な遊女もおり、袁世凱も足を運んだというこの街、歴史の裏側の話もありそうです。しかし遊女たちがここに連れてこられ、歩いた人生は辛いものだったに違いありません。

 それにしても道に迷いそうです。北京の胡同は基本的に東西南北の碁盤の目に作られており、斜めに通っている道は「斜街」と名前が付いています。迷ってもしばらく歩いているうちに大通りや大柵欄に当たるでしょう。前門大街はまだ改修工事をしていて通行止めです。ここが開通すれば、いよいよこの辺りはにぎやかになり、訪れやすくなるでしょう。

(林 秀代 2008年02月記)

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ありがとう〔記事番号:hu06
投稿者:、zensouhara69さん 投稿日:2008年04月03日 投稿番号:56
なんとも、大人のお話。感心してうかがいました。

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