■■第4回
阜成門内■■

地下鉄2号線を車公庄駅で降り、2環路の内側を南へ歩くと公園のような風景になります。その先にペットを売っている官園市場があります。以前から子どもを連れて行ってみようと思っていました。
公園の先に段々人垣できているのが見えてきました。市場の場外は週末ともなれば鳥かごを自転車に載せたおじさんたちや街の人が集まってきてご自慢の鳥を売っています。中にはかごから出して棒に鳥を載せて見せている人も。赤や黄色、白などカラフルな小鳥を見たり、おしゃべりしながらのんびり歩いていきます。
やがて市場に入りました。金魚屋さんの前でしばし立ち止まり、子どもが飼いたいという金魚を購入。細長い金魚は3匹1元。自分のお気に入りを選ばせてもらいました。えさや金魚鉢などを買っても全部で20元しません。
「おおっ!おおっ!」と子どもは動物を見るたびに歓声をあげています。官園市場は細い胡同沿いに金魚、コオロギ、犬、猫、ウサギ、鳥や飼育用品などが売られている「ペット市場」です。SARSの時は鳥の売買を禁止としたそうです。その後もよく動物市場はあまり近づかない方がよいと言われていますが、動物に直接触れたりしなければ大丈夫でしょう。私も初めて来た時には恐る恐る歩いていました。
北京では数年前からペットを飼うことが流行っているからか、たいへんな人!歩くのもやっとのところに自転車で通る人もいるのでのんびりペットも見てられなかったりします。しかしふと見ると箱いっぱいに入った芋虫がチョロチョロ動いているでは!こちらはペットの餌なんですね。

ペットの売り場の先には青塔胡同沿いに骨董を売っている出店が並んでいます。これは以前平日に来た時にはなかったので、週末だけでしょう。ヒスイや古いお金、模様が入ったガラスの小瓶などが売られています。さすがにこの日は荷物もあるので骨董までは手が伸びず、見るだけに終わりました。
青塔胡同のつきあたりを左に曲がると魯迅博物館があります。
魯迅博物館は博物館と魯迅が住んだ四合院の両方が隣り合わせにあり、一般公開しています。立派な門をくぐると魯迅の胸像があります。最近日本での恩師である藤野先生の胸像も加わりました。中に入ると自然光を浴びた陶製の手書き原稿用紙の大きなモニュメントがあります。
 
奥へ入ると展示室があり、魯迅の生涯を滞在先別で展示しています。紹興で過ごした少年時代から日本留学。初めの2年間の日本留学から戻ると母親が結婚相手をすでに決めており、形式上は結婚しますが再び弟を伴い日本へ。日本で見た中国人への弾圧から当初目指した医学への道を捨て、文学へと進んで行ったのでした。中国に戻った後は北京大学の講師を務めながら文学活動を始めました。しかし自ら弾圧に追われ国内各地で過ごし、そして第2夫人の許広平と暮らした上海での晩年まで。
博物館の横の魯迅故居では親切な学芸員の方が話しかけてこられました。日本人だと言うと、「日本人は大勢来てくれるんですよ。」と嬉しそうに四合院のそれぞれの房の鍵を開けて説明してくださいました。複雑な時代だったとはいえ、魯迅に深いゆかりのある日本。この四合院は魯迅が設計も担当し、北房には日本の障子が貼られています。結局魯迅はここに2年余りしか暮せず、母親と形ばかりの夫人が住んでいました。今では四合院の中庭にあるライラックの木が静かに見守っています。
 
魯迅故居のすぐ前には小さな書店があります。私が買ったのはイラスト入りの中国語の魯迅の小説集と散文の全集です。魯迅の書いたものは難しいと言われていますが、イラストがあれば私でも読めるかもしれません。
魯迅博物館を出て南へ。阜成門内大街を左(東)へ数百メートル行くと、白塔寺というお寺があります。
白塔寺は通称で、本当の名称は妙応寺といいます。元代建立ですが、焼失などで建て替えられています。その名の通り、大きな白いラマ教の塔が目印のお寺で、この塔の存在は知っている人もいるのでは。中に入るとコミカルな様相の布袋さまが出迎えてくれます。白い塔は一番奥にありました。写真で見るとそれほど大きく見えませんが、近くで見ると案外大きいことに気付きます。写真を撮るのも一苦労。白塔の写真を撮るなら白塔寺の東側の胡同である白塔寺東夾道へ回るときれいに取れます。
白塔寺や魯迅博物館付近の胡同は雰囲気のある街並みですが、阜成門内大街から南へ行くと金融街となり、新しいビルが立ち並んだ全く違う世界になります。
帰りは阜成門内大街を西に7,8分歩けば地下鉄2号線阜成門駅です。
官園市場
西城区阜成門北大路東側
魯迅博物館
西城区阜成門内宮門口二条19号
開館時間:9:00-16:00
門票:成人5元
白塔寺
西城区阜成門内大街171号
拝観時間:9:00-17:00
門票:成人20元
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(林 秀代 2007年10月記)
エクスプロア連載「子どもをバイリンガル、トライリンガルにする!」
「オリンピックを迎える北京」
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