エクスプロア北京TOP 北京TOP > 連載記事 > 北京の胡同で街歩き > 護国寺界隈


第3回 お腹も楽しみの胡同 - 護国寺界隈





 地下鉄2号線の积水潭駅から南へ下がると新街口の商店街が見えてきます。

 新街口北大街から新街口南大街、西直門内大街の3差路あたりに西安飯庄という食堂があります。名前の通り西安の名物羊肉泡[食莫](ヤンロウパオモー)で有名な、「老字号」の称号を受けている食堂です。

 お昼時に店に入ると、席に付けるまで10分、メニューをもらうまで5分、服務員を呼んでからオーダーを取るまでまた5分間待つほどの盛況ぶりというか、人手の足りなさ。羊肉泡[食莫](16元)に欠かせないのが、「餅」(1枚1元)という固いナンで、女性なら1枚、男性なら2枚ぐらいが適当です。やっとのことでオーダーするとすぐに会計。おつりと共に「餅」とチケットが入ったどんぶりが配られました。これからこの「餅」を自分で小さくちぎるという作業をしないと、食べることはできないのです。


 ナンを細かくちぎったら、チケット共にどんぶりを服務員に渡します。服務員はチケットの半券をテーブルに置き、ちぎった餅の入ったどんぶりを厨房へ持って行きます。しばらくすると羊の肉と春雨のような麺とスープを入れてどんぶりが戻って来ます。チケットは自分のどんぶりと照合するためのものでした 。他人のが来たら嫌ですもんね。

 私にとっては西安を旅行したときに偶然出会った羊肉泡[食莫]。ナンをちぎれと言うので、適当にちぎって渡したら、雑だと言われてダメだし!でも一口食べてみると案外美味しく、子どももスルスル食べたのでした。

 この日は初めて羊肉泡[食莫]を食べるという友人にダメだし。

 さて、西安飯庄の羊肉泡[食莫]は、私が今まで食べたものよりも少し茶色いスープ。お決まりの春雨のような麺が入っています。餅がスープを吸ってふやけてちょうどいい感じ。羊のお肉もしっかり入っています。付け合せには香菜と辛子みそとにんにくの漬物。にんにくが丸々一個!恐々食べてみると、甘すぎず、酸っぱすぎず美味しいものです。くせになりそう。

 店の表では羊肉串が売られています。一本5元となかなか高価ですが、お肉は柔らかジューシー。店内で食べるのも表でオーダーして、後で串を返すと1元戻ってきます。

 お腹がいっぱいになったところで、南へ歩くことにしましょう。


 この辺りは護国寺と呼ばれています。実際護国寺というお寺がありますが、お寺の中に入ることはできません。

 航空胡同から綿花胡同へ入っていくと、小さな商店街があり、小さな雑貨店や小吃店や食堂などが並んでおり、平日の昼間なのに人が多く賑わっています。コオロギを売っている店がありました。日本ではコロコロと涼しげに鳴きますが、こちらのはジージーとセミのような声です。それもそのはず、とてもデカイ!コオロギというよりもバッタ並みの大きさです。映画「ラストエンペラー」で宦官が懐に入れていたコオロギを幼い皇帝、溥儀が気に入ったシーンがありましたね。こちらではコオロギを飼ったり、戦わせたりする男たちの習慣があります。ちなみに一匹いくらか聞いてみると、30元と言われてしまいました。

 さらに細い胡同へ入っていくと、日本の下町の懐かしいような民家の風景が現れました。庭先に瓢箪や苦瓜を植えてシェイドを作っている家、日本にもよくありましたね。ケイトウや唐辛子の鉢植えなどもとても和んだ気分になります。この辺りの胡同はすっかり修理され、壁の塗装も新しくなっています。


 めざすは護国寺街にある梅蘭芳記念館です。護国寺街は家の軒先にある大きな樹木が目立ち、この通りの歴史の長さを感じます。歩いていると、三輪自転車で物を運ぶ人、軒先でお昼寝している人、小さなこどもなど庶民の生活が見え隠れします。

 梅蘭芳(メイ・ランファン)は20世紀の京劇の女形の役者で、彼の自宅の四合院を記念館として公開しています。梨園の名門の家に生まれ、役者への道を歩みました。最近では彼の生涯が映画化され、制作が進められています。丸いふっくらした顔は確かに女性らしい形。立ち姿もスッキリしてさすが役者です。彼が生きた時代は清代末期から日中戦争、そして新中国が建設された激動の時代。日本へも3度来日して公演を行い、歌舞伎界との交流もありました。中国とは文化的に近い日本との戦争。でも髭を蓄えて公演をボイコットしたこともあったそうです。彼の複雑な心理が読み取れそうです。

 晩年を過ごした四合院は庭に柿の木などの樹木があり、落ち着ける空間です。

 護国寺街を西へ戻る途中、護国寺街52号に溥儀の弟の溥傑と妻の嵯峨浩が住んだ四合院がありました。表には何も書いてなく、中にも入れませんが、立派な四合院であることがうかがえます。ようやくここで二人で住む事が許された二人はどのような生活を送っていたのでしょうか。

 またしばらく西へ行くと京劇などの人民劇場があります。その向かいには有名な護国寺小吃店という伝統小吃の店があります。セルフ式でおやつやちょっとした食事も食べることができます。豆や米などを使った伝統的なおやつ類が何種類もあり、選ぶのに迷ってしまいます。私たちはいろんなおやつがアソートされた一皿と、興味を持ったおやつを選んでみました。どれも甘みがきつくなく、あっさりした上品な味です。何人かでいろいろ選んで食べるのがいいですね。


 すっかり満腹になり動くのもおっくうになってきました。新街口南大街を渡ると風情のある四合院を発見、カメラを出した瞬間、自転車で通りがかりのおばさんが、「この四合院とっても素敵、中に入って見る値打ちあるわよ。」と教えてくれました。しかし人の家ですからそう簡単に入るわけにもいきません。おばさんもスーッと自転車で行ってしまいました。

 そのすぐ横にあるのが北京按摩医院です。大きな四合院を利用していて、とても病院とは思えない落ち着いた雰囲気。私も治療を受けたくなりました。要予約だということです。

 まだお腹いっぱい。梅蘭芳京劇団の京劇はぜひいつか見てみたいです。

(林 秀代 2007年9月記)

エクスプロア連載「子どもをバイリンガル、トライリンガルにする!」
「オリンピックを迎える北京」
Myブログ 「北京の青空-今日お空見える?」




この記事にみなさまからのご意見・ご感想をお寄せ下さい。筆者からお返事もいたします。

《全 1 件》1 件~ 1 件
なつかしい!〔記事番号:hu03
投稿者:けんきちさん 投稿日:2007年10月29日 投稿番号:41
8月終わりに人民劇場の前の護国寺飯店に泊まって毎日そのあたりをひとりでふらふら散歩してました。私は言葉も片言ぐらいしかできないので意思疎通には苦労しましたが結構親切なヒトもいて、楽しめました。あまりに暑いのでホテル向かいの床屋に散髪に行き、言葉通じず、絵を描いて「角刈りはイヤ」と伝えたつもりがあっというまに見事に角刈りにされちまいました。

北京のホテル予約



エクスプロア北京TOP 】【 北京の観光

Copyright since 1998 Shanghai Explorer