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第8回 幼稚園の通知表


 子どもの幼稚園ではProgress Reportといういわゆる通知表の前期分の評価が終わり、それに関する質問や意見などを受け付ける一対一のミーティングがありました。

 レポートをもらってびっくり。実に細かい評価項目があります。

 大きな項目として、個性や社会性の発達、言語、数学、世界や科学の理解、体育、基本的な運動能力、自助能力があり、それぞれに細かい評価項目が大体10以上あります。

 評価単位はMaking Progress(MP-進歩しつつある)、Demonstrate Competency(DC-能力がある)、Excels(E-優秀)の3種類です。

 項目の多さに圧倒されつつじっくり読むと、「物を分け合えるか」といった幼児の学習の基本的なこともある一方、日本では重視されているか疑問に思える項目もありました。例えば、「自分の感情を表現できる」や「自分についての自己認識(who am I)やその主張ができるか」などです。大人でも難しいかもしれません。

 当時は英語がまだあまりできなかったので、最上レベルに達するわけもなく、あまり期待もしていませんでした。DCが一番多く、項目によってはMP/DC (MPとDCの中間)やEといった評価でした。


 個性や社会性の発達では、子どもは実に少年らしい(all boy)子どもとコメントしてありました。好奇心が旺盛で、興味のあることはエネルギッシュに取り組むようですが、興味のないこともはっきりわかるそうです。質問などですすんで手を上げることはまだできません。最近はいろんな友達と遊べるようになってきましたが、先生が仲裁に入るようなケンカは少ない方だという話しでした。

 言語、つまり英語はまだ良い点をもらうのは無理だと思っていましたが、案外Eがたくさん付いていました。ロジカルに考えること、アルファベットや簡単な単語を書くことはできているようですが、人から聞いた話しを自分の言葉で言い直したり、質問をしたり、物事を予想して語ることはまだ難しいようです。但し、週単位で子どもの英語の能力は伸びているので、学年末には相当違う様子になるだろうということでした。

 私がなぜ英語の幼稚園に入れたかというのは、単に言葉の習得だけではありません。日本人が最も苦手なことは、質問をすることとロジカルに考えることだと思います。大学からようやく「話す教育」を受けた親の私も苦手です。先生や友達が話したことに対して疑問があった場合、躊躇せずに質問できるか、自分の意見が言えるかというのが目的の一つです。「話す教育」は日本語よりも英語教育の方が確立されているので、早いうちから話す態度を身に付けるいい機会かと思いました。

 もちろん急に彼の能力が進歩するとは思えないので、後ろから彼の学習をサポートしていきたいと思います。


 数学は得意な分野のようです。数学といっても数の概念や比較、また図形の認識やマッチング、時計やカレンダーの読み方など小学校の入学準備のようなものでした。子どもはすでに日本語でかなり理解していたので、それを英語でインプットし直すような感覚だったと思います。

 科学には興味があるものまだ言葉がよくわからないので、先生の話しを理解することが難しいようです。

 そして子どもが最も好きなもの – 体育。先生のコメントは「He is VERY athletic」で、項目は全てEでした。これに子どもはずいぶん救われました。

 担任の先生はアメリカ人ですが、子どもの頃お父様の仕事でタイやアルゼンチンに住んだ経験があり、中国に来たばかりの子どもの気持ちや不安をよくわかっています。だからといって子どもに甘い訳ではなく、ちゃんと一人前に扱ってくれます。運動や先生との体当たりの遊びはストレスを発散し、自信を取り戻す役割を果たしていたようです。後半は科学への興味をうまく理解へつなげていきたいと言っていました。先生の性格が大らかで、物事を押し付けず、言葉ができようができまいが、子どもたちの良い点を見て伸ばそうとしてくれるのは、非常に嬉しいことでした。

 先生からはこれからもいろんなお友達と遊ぶこと。幼稚園にも慣れてきたので、放課後自宅に友達を招いてみてはどうかというアドバイスをいただきました。我が家は日本人の多い住宅なので、帰宅後子どもは日本人の友達と遊んでいました。ぜひやってみましょう。

 次回はそろそろ始まる小学校選びです。

(林 秀代 2007年8月記)

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