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■■第3回 新学年スタート■■
 「Blue Book」と呼ばれる幼稚園お手製の英語の練習張
9月になり、新学年がスタートです。10月生まれの息子は1年間年長組に入ります。この学校の基準では11月1日生まれからが学年の開始となるため、本当は小学1年生に上がれます。でも息子は日本でもまだ就学していなかったので、ましてや外国語で毎日学校に通う気などありません。1年間幼稚園で遊びながら、のんびりと新しい環境や英語に慣らそうと考えました。幼稚園側もそれぞれの家族や子どもの事情、各自の国の教育事情などを考慮して、フレキシブルに対応してくれます。
息子のクラスの担任はサマースクールの時と同じ大きなアメリカ人男性の先生でした。子どもは大喜びです。担任と英語を話す中国人のアシスタントの先生が二人付きます。日本から考えるととても贅沢な環境です。
この時点のクラスの人数は20名。日本人は息子を入れて男の子3人、女の子1人です。インド人やドイツ人のクラスメートもいますが、香港、台湾、マレーシア人などの中華系の子ども達もいます。また、親は中国人でも別の国で生まれて別国籍を持っている子ども達、中国籍でも別の国で暮らしたことのある子ども達など、いわゆる「富裕層」と呼ばれる中国人家庭です。北京で一番多いといわれている韓国人は、初めはいませんでした。
初めは私も心配だったので、時々クラスを見学させてもらいました。
多くのクラスメートは前年度からいる子ども達で、最近入った子ども達も英語のスピーキングもリスニングもかなりできるようでした。
息子は簡単な指示以外は、まだ先生の話すことが理解できません。そんな時先生は、指を「パチッ」と鳴らして日本人の女の子を指し、「彼に訳してあげて。」と頼みます。
すると、すでに2年間その幼稚園に通っている女の子は、照れながらもパーフェクトに息子に通訳してくれます。素晴しい!大人顔負けです。うちの息子もこうなってほしいと思いつつ、息子が言葉の壁からストレスを抱え込まないかヒヤヒヤしながら見ていました。
新しいクラスでは、同じ公寓に住むクラスメートはいないので、新しい友達をつくることからスタートしなくてはなりません。まだクラスメートと言葉が通じないので、息子の様子を心配していましたが、何度かクラスを見学させてもらうと、どの子も元気いっぱいで、息子にも私にもよく話しかけてくれるので安心しました。日本人のクラスメートは、英語がわからない息子の面倒をよくみてくれました。
先生曰く、息子は日本人のお友達とよく遊んでいるということでした。確かに帰宅後幼稚園のことを聞くと、だいたい日本人の友達の名前が出てきました。最初はとにかく慣れてくれればいいので、それでいいと思っていました。
何か事件が起きた場合は、オフィスに日本語を話すスタッフがいるので、息子に何があったのか聞いてくれます。
一週間の幼稚園のプログラムも配られました。毎日「Center Time」や「Learning Time」と呼ばれるお勉強の時間があり、フォニックスや簡単な算数、サイエンスやソーシャルサイエンスなどのいずれかを学びます。サイエンスでは2週間や1ヶ月などの単位でなど大きなテーマを決めて、資料や本を持ち寄ったり、遠足などに出かけます。
また、毎日「Sharing Time」と呼ばれる時間もあります。これは毎日順番に1人ずつ自宅からおもちゃや本、道具など自分の好きなものを持ってきて、クラスメートと先生にその紹介して一緒に遊ぶ時間、つまりプレゼンテーションです!一クラス20人ですから、月に1回順番が回ってきます。
更に驚いたのは週に一度、金曜日の英語の宿題でした。「Blue Book」と呼ばれる幼稚園お手製の英語の練習張に毎週決められたセンテンス(たいていは子ども達が自分で言ったこと)を5回書き、更にそのセンテンスを表す絵を描くものです。幼稚園なので賛否両論あるかもしれませんが、小学校に上がれば毎日宿題が出るので、週に1回なら入学準備として考えると、それもいいステップだと思いました。英語の綴り方の基礎や、期限を守ることがわかるようになりました。
園庭や中庭での外遊びももちろん毎日あり、息子の最も楽しみな時間です。男の先生なので遊びがダイナミックです。お迎えに行くと、毎日服がドロドロに!ランチとスナック2回は幼稚園の給食を食べていました。家からお弁当を持ってきている子ども達もいました。
言葉はあまり話せないものの、日本人のクラスメートも数名いますし、とりわけイライラしているような様子はありませんでした。「これは英語でなんて言うの?」と私に時々聞いてくることがあり、知りたい言葉はその都度教えてあげました。彼なりに英語で伝えたいことがあっても、うまく言えない現実は感じているようでした。言葉で伝えられないマイナス気分を、外遊びでプラスにしているような日々でした。
こうやって子どもの幼稚園生活が本格的にスタートしました。さて、初めてのSharing Timeはいかに・・・。
(林 秀代 2007年5月記)
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